介護の現場でも役立つ!ご高齢者の暮らしをサポートする福祉系資格
2018/12/26
ご高齢者の方の生活や健康をサポートする資格は、介護スタッフのスキルアップにも役立つ資格です。今回はQOL(生活の質)向上につながる資格として「福祉住環境コーディネーター」「福祉用具専門相談員」「転倒予防指導士」の3つをご紹介し、試験内容やメリットなどについて解説します。
福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターとは
福祉住環境コーディネーターは、ご高齢の方や障がいのある方が、ご自宅で可能なかぎり自立して生活できる住環境を提案するアドバイザーです。
主に、バリアフリー住宅の新築・リフォームにおけるコーディネート、福祉用具・介護用品・家具の選び方や利用方法のアドバイス、福祉施策等の情報提供などを行います。
一人ひとり異なるニーズに合った住環境を提案するためには、医療・福祉・建築などに関する幅広い知識が欠かせません。また、各種専門職と連携をとりながら、最適な解決策を提案できる能力も求められます。
福祉住環境コーディネーターになるには
福祉住環境コーディネーターの資格を取得するためには、東京商工会議所が主催する検定試験(1級・2級・3級)に合格する必要があります。
試験は、全国の商工会議所を通して各地域ごとに実施されます。
受験資格
学歴・年齢・性別・国籍は問われません。
2級からの受験や2・3級の併願受験も可能です。(※1級は2級合格者のみ受験可能です。)
受験料(消費税8%を含む)
1級 | 10,800円 |
2級 | 6,480円 |
3級 | 4,320円 |
試験時間
1級 | 前半:マークシート方式2時間 後半:記述式2時間 |
2級 | マークシート方式2時間 |
3級 | マークシート方式2時間 |
合格基準
マークシート方式100点満点中、70点以上で合格となります。
(1級はマークシート方式・記述式で、各100点満点中、各70点以上)
2017年度 試験結果(全国分)
級 | 受験者(人) | 実受験者(人) | 合格者(人) | 合格率(%) |
---|---|---|---|---|
1級 | 567 | 473 | 28 | 5.9 |
2級 | 26,215 | 23,747 | 11,980 | 50.4 |
3級 | 11,906 | 10,839 | 4,483 | 41.4 |
※「福祉住環境コーディネーター検定試験®公式テキスト」については、「改訂版」が新しく発行される予定です。
2019度試験(第42・43回)は、「改訂版」公式テキストに準拠して出題されますのでご注意ください。
東京商工会議所公式ホームページ http://www.tokyo-cci.or.jp/
介護現場での活用法
福祉住環境コーディネーターの資格は、医療・福祉関係や建築・建設関係の方のキャリアアップに活用できます。検定試験に合格した方は、名刺に記載するなど「福祉住環境コーディネーター」を名乗って活動することも可能です。
受験者のなかには、介護福祉士や福祉用具専門相談員、介護職員初任者研修、介護支援専門員(ケアマネジャー)などの資格保有者もいます。
介護や福祉の知識に加えて住環境に関する専門知識を身につけることで、お客様やご家族のニーズにさらに寄り添えるでしょう。
福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員とは
福祉用具専門相談員は、ご高齢の方や障がいのある方が適切な福祉用具を選ぶための支援をする専門職です。主な業務として、心身状況やご希望、使用環境などをアセスメントし、福祉用具の選定相談・調整・点検などを行います。
また、「福祉用具サービス計画」を作成し、介護支援専門員(ケアマネジャー)などの専門職と連携しながら、ご高齢者の暮らしを福祉用具でサポートします。

福祉用具専門相談員になるには
都道府県知事が指定した研修機関が開催する「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、50時間のカリキュラムの修了が必要です。また、講習の最後に、習熟度を測るための修了評価(筆記)を受ける必要があります。
受験資格
とくに制限はないため、基本的にどなたでも受講することが可能です。
受験費用・期間
研修機関によって異なります。
標準的なカリキュラム
科目 | 時間数 |
---|---|
1.福祉用具と福祉用具専門相談員の役割 | 2時間 |
2.介護保険制度等に関する基礎知識 | 4時間 |
3.高齢者と介護・医療に関する基礎知識 | 16時間 |
4.個別の福祉用具に関する知識・技術 | 16時間 |
5.福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識 | 7時間 |
6.福祉用具の利用の支援に関する総合演習 | 5時間 |
計 | 50時間 |
介護現場での活用法
介護保険の指定を受けた福祉用具貸与販売事業所には、2人以上の「福祉用具専門相談員」の配置が義務づけられています。介護職員基礎研修などを修了した方や、その他の福祉系資格をお持ちの方は、あわせて取得することで業務の幅が広がったり、資格手当がついたりする可能性もあるでしょう。
以下の国家資格を持っている方は、指定講習を受講しなくても「福祉用具専門相談員」として仕事に就くことができます。
保健師・(准)看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・義肢装具士
全国福祉用具専門相談員協会ホームページ http://www.zfssk.com/
家族の介護をきっかけに介護福祉士・社会福祉主事任用資格を取得。現在はライター。日々の暮らしに役立つ身近な情報をお伝えするべく、介護・医療・美容・カルチャーなど幅広いジャンルの記事を執筆中。
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