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「春を感じる俳句」ご紹介

皆様からの春を感じる俳句をご紹介します。 応募者全員に200ML進呈しました。 ご応募ありがとうございました。

クラス エル マガジン2020年冬号で募集した
春を感じる俳句にご応募いただき、ありがとうございました。
総応募数722通のうち、一部の作品をご紹介させていただきます。

選者:橋本經子さん(俳人)

1986年頃より叙情系師系「白桃」(主宰.故・伊藤道明氏)に入会同人となる。他に結社「藍」「花辻」「春野」「郭公」等に入会し学ぶ。
現在は、地域コミュニケーショングループ俳句会で、「俳句を楽しく」をモットーに、季節感を大事に句を作る句会を開いている。

六句選評

落ちてなほ(お) 椿は水を 讃へ(え)けり
  • 愛媛県 M・Tさん 50代男性
  • 〈評〉一切衆生いっさいしゅじょう悉有仏性しつうぶっしょう。黒猫もしかり。春兆す二月、命みな動めく頃、猫も盛んに恋をする。如月の闇を走る猫はその仏性を露わに奔走する。季語のきさらぎに走る猫は黒猫である。感覚的な句になりました。
散歩道 歩みを止める ほとけのざ
  • 栃木県 A・Oさん 50代女性
  • 〈評〉いつもの散歩道、昨日まで素通りしていた道にふっと足を止めて見入った。春の七種の一種「仏の座」だ。整然と円座、蓮華座だ。浅春の朝、清しい気持を得た。路座仏の姿見えましたか。
縁側の 指定席にも 春うらら
  • 広島県 F・Tさん 70代男性
  • 〈評〉うらら かな春の日が縁側にも届くようになった。指定席と決めている所にたっぷりと昼の日差しが暖かい。椅子でよし、座布団でよし。さあて、読書か、うたた寝もいい。規範ない日を存分に。
孫の凧 「子」と云う文字を 大書して
  • 富山県 T・Iさん 90代男性
  • 〈評〉孫のために凧を手作りしている好好爺の姿。ふと良寛の書「天上大風」を思い出す。今年は「子(ね)」年、力強い大書の一字。作者の満足感と孫さんの笑顔を思う。よく揚ったでしょう。
春うらら 麻痺の夫の 爪を切る
  • 広島県 Y・Mさん 70代女性
  • 〈評〉動かぬ指の爪を切ってもらう夫の気持、爪を切ってあげる妻のこころ。春の日差しの下で、二人の姿が睦まじい。人生に起こる不意を享受しながら春の日のうららかさを味わって。お大事に。
友の訃に 戻らぬ日々や 寒戻る
  • 滋賀県 Y・Oさん 80代男性
  • 〈評〉朋友の訃報に接するは悲しい。親族もさることながら、壮年時代の密なる交情はひとしお。よき盛んな時代が横切り、それは戻らない日々。浸れば寒さが戻ってくる。無常の世ですね。

春に動く気持ちの句

窓越しの春の光が嬉しくて
  • 東京都 M・Oさん 40代女性
春近し波の音耳ここちよき
  • 愛媛県 T・Oさん 50代男性
桜満開娘の命名考える
  • 千葉県 H・Fさん 80代女性
春の川	くすくす笑い	水速く
  • 三重県 K・Kさん 90代女性
孫と摘む	つくしも微笑む	陽だまりや
  • 滋賀県 S・Kさん 60代男性
ふきのとう	かおり楽しむ	朝ごはん
  • 群馬県 Y・Tさん 60代女性

季節感がある句

菜の花や朝日に映ゆる遠き富士
  • 千葉県 Y・Tさん 70代男性
秩父路は彩豊か春の虹
  • 埼玉県 M・Kさん 70代女性