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  • 2018/01/05

【新年を迎え、改めて知ろう】賃貸経営の歴史!経営スタイルはこのように変化してきた。

大内宿の風景

謹んで新年のお祝辞を申し上げます。本年も何とぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は新年ということで、意外と知られていない「賃貸経営の歴史」を振り返り、不動産経営を捉え直してみましょう。賃貸経営は、はたしてどのような変遷をたどって現在のスタイルになったのでしょうか。

 

賃貸経営の始まり

賃貸経営はいつからあったのか

古代ローマは、公衆浴場があったことは有名ですが、「インスラ」と呼ばれる集合住宅があったことでも知られています。

インスラという言葉は本来、ラテン語で「島」を意味するものですが、当時はローマ人が住む大規模なアパートを指す名称で、その中には6~8階建てという高層のものもあったようです。

それだけ高層になるとやはり安全性には問題があったらしく、ローマ皇帝・アウグストゥスの時代には約20.7メートルまでの高さ制限が設けられ、その後さらに約17.7メートルの高さまでに制限が厳しくなっています。

このように集合住宅は少なくとも古代ローマの時代には存在し、長い歴史の中で地域の実情や時代背景に応じて変遷を遂げていくことになります。

 

賃貸経営の変遷

賃貸経営の変遷は、土地の所有関係の変遷とも関係しています。そこで、特に日本における “土地に関する私有権” の歴史を簡単に振り返ってみましょう。

645年の大化の改新(乙巳の変)の後に発令された「改新の詔」では公地公民制がうたわれ、土地は「公地」であるとされています。つまり、この時代には、今のような形での不動産オーナーは存在しなかったということです。

その後、723年の「三世一身法」では開墾した土地を一定の期間にわたり私有できるようになり、さらに743年の「墾田永年私財法」では開墾した土地を永続的に私有できるようになりました。この経緯については、歴史の授業を思い出される方も多いのではないでしょうか。

こうした奈良時代の中央集権体制の中で認められた私有地は荘園となり、平安時代には荘園の支配者がさらに力を蓄えることにもつながりました。

さらに鎌倉時代に入ると、守護や地頭の力が強くなることで荘園の支配権が脅かされ、室町時代には守護大名が土地に対して強大な権力を持つようになります。

戦国時代には、守護大名に変わって戦国大名が武力を背景に領土を拡大し、ついには豊臣秀吉の太閤検地で荘園そのものが消滅してしまいます。

ここまで足早に土地の私有権の変遷をたどってみましたが、現代のように一般市民が不動産を所有して賃貸収入を得るようなスタイルが見られるまでには、さらに先の時代を見てみる必要がありそうです。

 

近世以降の賃貸スタイル

日本の古い町並み ひがし茶屋街 江戸時代 å

現代のスタイルにも通じる集合住宅の原型は、江戸時代の長屋といってよいでしょう。江戸時代は1603年に徳川家康が幕府を開き、封建制度にもとづく幕藩体制を確立させたことに始まります。

この時代には大半の土地は武家や寺社の所有でした。しかし、一部には町人が所有する土地もあり、裕福な商人であれば所有する土地に長屋を建築し、大家を雇って賃貸管理を任せることができました。

“大家” という言葉は、現在では不動産オーナーを意味しますが、当時は賃貸管理会社や保証会社に相当する役割を担っていたのです。

ただし、土地の私有制度だけが長屋のような集合住宅を生み出したというわけではありません。

江戸という町が政治経済の中心地となり、都市文化が形成されるに従って、地方からやって来る多くの都市生活者が生まれました。そうした人々を収容するニーズがあったからこそ、安価で省スペースの長屋という形式が誕生したといえるでしょう。

 

歴史から見た、現代の賃貸経営の特徴

法律の整備

江戸時代の大家と店子(たなこ:テナント、入居者)の関係は「親子の関係」と言われるように、大家がいろいろと店子の面倒を見てくれる一方で、現在のように入居者の権利が保護されているわけではありませんでした

現在、不動産賃貸借の基本的な法律関係は民法を基礎としています。この民法は明治29年(1896年)に制定されており、約120年の歴史を持つものです。しかし、民法の基本原則だけでは、立場が弱くなりがちな賃借人の利益保護に欠ける面があります。

そのため、民法の特別法として、土地や建物の賃貸借により適合した「借地法」「借家法」という法律が制定されました。さらに時代を経るごとに賃借人の利益保護が強化されて、現在の「借地借家法」に至っているのです。

 

賃貸管理方式の発達

現代では、大家が個人で賃貸管理する方法だけでなく、株式会社などの法人が不動産を所有して入居者に貸し出す方法もあります。また、不動産の所有は個人のまま、自身が設立した不動産管理法人や外部の管理会社に賃貸管理業務を委託するケースもあります。

さらには、サブリース会社が不動産を一括借上げすることにより、不動産オーナーと入居者が直接の契約関係を持たず、不動産オーナーはサブリース会社から一定の保証家賃を受け取るという形式も一般的なものになりました。時代とともに賃貸経営の方法も進化しているといえるでしょう。

 

まとめ

さまざまなビジネスがある中で、不動産賃貸は生活の基盤ともいえる「住」を提供するサービスです。時代によって不動産を所有する主体に変遷は見られるものの、今後も絶えることがない鉄板ビジネスといえるのではないでしょうか。

 

この年末年始に、アパートや土地の今後についてお話されたご家族も多いかと思います。相続税対策や、事業承継などお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

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