コンシェルジュブログ
- 2019/04/01
消費税10%増税への負担軽減策一覧!注目はマイナンバーカードとプレミアム商品券
消費税10%への増税開始までタイムリミットが迫ってきており、いよいよ現実味を帯びてきました。
消費税の引き上げは生活に影響を及ぼします。そこで政府が検討しているのが、消費税増税による負担を軽減させるための対策案です。
一体どこまで具体的な措置が決まってきているのか、あるいは検討されているのか、現時点での概要をみていきましょう。
消費税の軽減税率の実施
消費税対策の中でも、早い段階で対策が打ち出され、すでに案が確定しているのが「軽減税率」です。
軽減税率とは、消費税が10%に上がる2019年10月1日以降も、旧消費税の8%で一部を据え置く対策のことです。飲食料など、日常生活に必要なものを中心に適用されます。
消費税の軽減税率の内容については「消費税10%へ増税の注意点!家を買うべきタイミングと対処法」で詳しくご紹介しています。
関連記事:軽減税率とは – 消費税10%へ増税の注意点!家を買うべきタイミングと対処法
キャッシュレス決済へのポイント還元
キャッシュレス決済への最大で5%のポイント還元が検討されています。中小小売店におけるクレジットカードや電子マネー、スマートフォンでのQRコード決済など、現金以外(キャッシュレス)での支払いが対象となる見込みです。
実際のポイント還元率は確定していませんが、たとえ2%でも適用されれば、消費税率8%時の買い物よりもお得になります。
ただし、恒久的に実施されるわけではありません。実施は1年の予定なので、購入価格の制限がかからないのであれば、大きな買い物は早めに済ませておいた方がよさそうです。
関連記事:キャッシュレス決済の場合、2%のポイント還元を受けられる可能性も – 消費税10%へ増税の注意点!家を買うべきタイミングと対処法
マイナンバーカードの買い物ポイント
消費税増税対策はもちろん、普及の進んでいないマイナンバーカード利用拡充のため、マイナンバーカードの取得者に「自治体ポイント」を一定額加算する案も出ています。
自治体ポイントとは、1pt=1円として、地域内の商店街やバスなどの公共交通機関の利用、地域物産品の購入などで利用できるポイントのことです。オンラインで自治体の特産物と交換もできます。
自治体ポイントを貯めるには主に2つの方法があります。ひとつはクレジットカードのポイントや航空会社のマイレージを変換する方法。もうひとつは自治体のボランティアに参加する方法です。
自治体ポイントの利用には「マイナンバーカードの作成」と「マイキーIDの作成」が必要です。「マイキーID」を作成するには、マイナンバーカードを読み取るためのICカードリーダが必要になります。IDカードリーダを所持していない人は、導入されている自治体の図書館などで登録をしなければなりません。
自治体ポイントのデメリットは、導入するために必要な手順の多さと、自治体ポイントを導入している自治体の数です。ポイントを利用できる自治体は公式サイトから確認できますが、まだまだ少ない印象です。
今回の増税よって付与される具体的なポイント決まっていませんが、キャッシュレス決済の期限が切れる2020年から導入が予定されています。マイナンバーカード利用者がお得になるだけでなく、地域活性化も期待されている対策案です。
ちなみに、マイナンバーカードは身分証明に活用できるだけでなく、コンビニでの住民票等の取得、一部図書館での図書カードの代わりとしても使えます。今後、利用の用途は拡大が予想されるので作成しておいても損はないでしょう。
幼児教育等が無償化
消費税増税の理由は、冒頭でも述べたように、少子高齢化による社会保障費負担の増加です。政府では、このような状況を重く受け止め、少子化対策のひとつとして、幼児教育等の無償化の範囲を広げてきました。
しかし、これまでの無償化施策は、生活保護全世帯の3~5歳の子どもにおける無償化、第2子以降の住民税非課税世帯の無償化と、範囲が限定的でした。その範囲が今回拡大されます。
消費税増税が実施される2019年10月より、3~5歳のすべての子どもを持つ世帯での幼児教育の無償化(幼稚園、保育所、認定こども園)、住民税非課税世帯でのすべての0~2歳児を対象とした無償化が全面的に実施されます。
一部のケースでは上限額が決まっており、幼稚園の場合は月2.57万円まで、認定外保育施設やベビーシッターなどは月3.7万円まで(0歳〜2歳の場合は月4.2万円まで)を無償としています。
幼児教育の無償化に関する住民・事業者向け説明資料 – 文部科学省
3~5歳の子どもを持つ世帯では、所得に関係なく無償化の恩恵を受けられるので、子どもの教育の充実を図れるほか、子育ての負担を軽くする効果が期待できます。
自動車の減税対策
1. 自動車取得税廃止
購入時に支払う自動車取得税を廃止。代わりに燃費に応じて取得価格の0〜3%を課税される「環境性能割」を導入する方針です。
「環境性能割」は、増税後の1年間は限定的に一律1%が引き下がりますが、2年後からはもとに戻すとのことです。
2. 自動車税の引き下げ
所有中に毎年課税される自動車税が、小型車を中心に税率が最大4,500円引き下げ予定です。減税幅は以下の通りです。
※2,500cc超は一律1,000円減税、軽自動車税は据え置きで10,800円
消費税増税前に購入しておきたいと考える人もいるかもしれませんが、自動車購入の場合は駆け込み購入を抑えるためエコカー減税が縮小されるデメリットもあります。急いで購入する必要はないでしょう。
住宅購入の減税対策
住宅では、住宅ローン控除が3年間延長されます。このほか、住宅ローンの控除の拡大や、すまい給付金枠の拡大も実施される予定です。
住宅購入の内容については「消費税10%へ増税の注意点!家を買うべきタイミングと対処法」でも紹介しています。
低所得者向けプレミアム商品券配布
額面よりお得な商品券を配布しようという消費税対策案です。2018年12月時点では、2万5000円の商品券に5000円のプレミアム、つまり5000円お得になると予想されます。
低所得層と子供を持つ家庭をサポートするような内容になっており、対象は「生活保護を受けていない住民税非課税世帯」と「0~2歳の子がいる世帯」に限定される予定です。
なお、住民税非課税世帯とは、各世帯や世帯の人数に応じて一律に課税される均等割が非課税になる世帯のことで、以下のように計算します。
住民税非課税世帯の計算例
※夫婦のうち1人は配偶者控除内で働いているもの、あるいは専業主婦(主夫)とする。
そのほかの対策
消費者にかかわる消費税対策を紹介してきましたが、事業主や経済活動でも消費税対策が実施される予定です。具体的には、以下のような内容が検討されています。
ほかにも、消費税増税によって事業主の負担が急激に増えないよう、経過措置といって、一部の取引は旧消費税の8%が適用されることになります。
防災や減災の公共投資 消費税率引き上げ後の景気下振れを防ぐため、防災を中心とした公共投資・インフラ整備を進め、大きな経済需要を生み出そうという試み。
防災関連の公共事業を積み増やせば、受注企業の業績が改善し、設備投資や従業員の給与が増える波及効果があると考えている。
企業向けの増税前後の価格転嫁措置 増税前の消費駆け込み・増税後の消費落ち込みを防ぐために、具体的には、価格変更時期、値引きの自由など、増税前後の価格転嫁について緩和措置を設ける。
一方で懸念される企業間での「買いたたき」や「価格転嫁拒否」などには一層厳しく監視を行うとしている。
商店街の支援 具体的な内容は確定していないものの、消費税増税の影響が大きいと予想される商店街での支援を実施する予定。
まとめ
増税が国民に大きく影響を及ぼし、生活が損なわれないような対策が講じられ、議論が続けられています。今回ご紹介した対策は、あくまで掲載時点のものです。今後の動向が見逃せません。
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