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  • 2020/11/16

不動産の法人化で本当にあったおトクな話

親子で学ぶ・考える!相続ゼミナール 不動産の法人化で本当にあったおトクな話 SBCパートナーズ税理士法人 代表社員 税理士 藤本 敦司 氏

今回は、賃貸不動産を法人化することで、約1億円だった相続財産を2,500万円に減額できただけでなく、個人の資産も大幅に増加することができたというケースをご紹介します。
ご家族でご一緒に学び、将来について話し合う機会としていただければ幸いです。

相続を前に、賃貸不動産を法人化
相続税の問題から開放され、個人資産も増額

不動産オーナーの資産の構成は、不動産が8~9割、資金性のある現預金や有価証券が1~2割というのが一般的です。

相続税は相続開始から10カ月以内に、原則、現金で一括納税しなければなりません。財産の構成が不動産メインとなると、納税資金の確保が重要になります。

納税資金を用意することができなければ、不動産の売却や不動産を現金の代わりに納税に充てる物納という選択を取らざるをえなくなります。

益物件が生み出す賃料収入を納税資金として貯金する方法もありますが、賃料収入に対する所得税・住民税が高く、税引後の収入のおよそ半分しか資金として残せないというケースのほうが多いようです。そのうえ、納税資金としてコツコツ貯めたこの資金までが相続財産となり、相続税にさらなる負担となってのしかかります。

談者のAさんは、不動産賃貸業を個人で営んでいます。相続財産は不動産5億5,000万円、現預金5,000万円、負債の借入金2億円を差し引くと4億円が課税財産になります。相続税は約1億円。相続人は3人ということでした。

Aさんの不動産収入は年間4,000万円、課税所得は2,500万円で毎年約1,000万円の所得税及び住民税を納めています。また、生活費等を差し引くと毎年約1,000万円の貯蓄ができ、10年で約1億円の財産が増えます。もちろん、この1億円にも2,500万円の相続税がかかり、先の1億円と併せ、相続税は計1億2,500万円にもなります。

Aさんがとるべき対策のポイントは次の3つです。

① 相続財産を減らす
② 相続財産の評価を下げる
③ 納税資金をより多く残す

これら3つのポイント全てを押さえた対策が、不動産を法人化する方法です。不動産法人を設立して個人が所有している財産を法人に移転するということです。

法人化の手順
法人化の手順

Aさんの場合をみてみましょう。不動産収入により10年間で増える財産1億円を相続財産から外すことができ、2,500万円の節税になります。法人化することで不動産収入に対する税金が毎年1,000万円から370万円に下がり、10年間で6,300万円の資金が増えます。その結果、合計で8,800万円の資産が増えることになります。

法人化してしまえば、その後は相続に頭を悩ませることもなくなります。納税資金は法人で貯めたお金から用意できます。資金ができれば土地も法人に移転してもよいでしょう。

法人化のメリット

● 所得を分散できる
● 生命保険の活用幅が広い
● 経費の幅が広い
● 欠損金を繰り越しできる

の世代は法人の株式を相続していくことになりますので、今後は法人の株式評価額を下げることがポイントになります。そして評価額が下がったところで株式を次の世代に生前贈与をし、相続を先延ばしにします。

相続対策は年月をかければかけるほど効果が高まります。Aさんの場合も、相続は10年経った今も発生していません。対策効果は今も上昇中というわけです。早めに適切な対策を施し、相続税負担が上昇する危機を回避した、本当にあったおトクな話でした。

SBCパートナーズ税理士法人 代表社員 税理士 藤本 敦司 氏
SBCパートナーズ税理士法人 代表社員 税理士
藤本 敦司 氏

国内11拠点を構えるコンサルティンググループに所属し、相続事業承継を専門に活動している。
資産の法人化や組織再編のスキームを活用して不動産や法人オーナーの承継に関する悩みに尽力している。

レオパレス21はライフステージサポートを行っています。

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