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  • 2021/12/01

金融資産の活用術~知って”得”する税金コラム~

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penchil(sbc) 金融資産ってなに?節税方法なんてあるの?

(1)金融資産ってなに?

そもそも、金融資産とはどのようなものなのでしょうか。
金融資産とは、現金を含め、実態は持たないけれど資産として評価額を換算することができ、現金化できる資産のことを指します。みなさんが日常生活で使用する現金は、見方を変えればただの金属の塊や紙きれにしかすぎません。
しかしそれが価値を持っているのは、政府の信用があるからなのです。

また、金融機関、債権回収の確率を高くするためすぐに現金化できる可能性の高い金融資産を重視しています。そのため、借入時には資産ではなく金融資産の多寡を確認するのです。

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それでは、具体的に金融資産とはどのようなものが当てはまるのでしょうか。その種類を見ていきましょう。

【金融資産の種類】

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金融資産は、条件がそろえばいつでも現金に換算できるものですが、株式など、その商品の性質によっては現金化するタイミングにより、その資産価値が大きく変動するものもあります。そのリスクは商品によって異なりますので、保有する金融資産の種類やそのバランスを重要視する必要があります。安定性を高めたいのであれば、預金・定期預金を6割、投資信託を3割、株式を1割など、保有率を分散させることで、価値変動のリスクヘッジをすることができます。

 

(2)節税方法ってあるの?

金融資産の利益に対して生じる税金は大きく分けて2つ、利息や配当のように資産を保有することで継続的に受け取れる利益(インカムゲイン)に対して課せられるものと、売却し利益が出た時に生じる利益(キャピタルゲイン)に対して課せられるものがあります。

税金の取り扱いは、個人か法人かによって大きく異なり、例えば個人が受ける株式の配当に対してかかる税金は、20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%住民税5%)となりますが、法人の場合には、その他の事業の利益と通算して21.366%~33.583%(東京都の場合)がかかります。その他、贈与や相続をした時にかかる贈与税(10%~55%)や相続税(10%~55%)などもあります。

これらの税金については、それぞれ以下の方法が考えられます。

①利益に対しての税金
(ア)個人
小規模企業共済、一般NISA、つみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)、401K(企業型確定拠出年金)など
(イ)法人
役員報酬の増額や出張旅費規程、航空機やドローンなどのリース、損金性の生命保険など利益を圧縮するもの

②相続税や贈与税
小規模企業共済、生命保険、110万までの暦年贈与、教育資金の一括贈与など

 

penchil(sbc) 株、暗号資産、投資どれで管理すればいいの?

金融資産のうち、株式暗号資産とは一体何なのかを見ていきましょう。
まずみなさんご存じの株式とは、企業が資金調達をするときに発行するものです。その会社の所有権を分割して表しているため、株式を保有している人は会社の所有者の一人である「株主」ということになります。また、株式は自由に売買することができ、主に証券取引所で取引されています。

暗号資産は、仮想通貨とも呼ばれます。実体がなく、インターネット上で使うことのできるお金のことを、暗号資産(仮想通貨)といいます。基本的に暗号資産(仮想通貨)には発行団体が存在しておらず、それを利用している全ユーザーによって管理されています。円やドルなどとは違い、BTCやETHなど独自の通貨単位を持っているのが特徴です。
暗号資産(仮想通貨)の購入や取引は、民間企業が運営する「暗号資産(仮想通貨)取引所」で行うのが一般的で、将来性のあるコインに投資して利益を狙うのが暗号資産(仮想通貨)投資です。

さて、この株式と暗号資産(仮想通貨)ですが、投資をするにあたっての特徴を、下記に比較してみました。


【比較表(個人取引の場合)】

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【暗号資産にかかる課税表

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引用:仮想通貨と株式投資は何が違うの?どっちが儲かるのか11の違いを分析 | CoinPartner(コインパートナー) (coinotaku.com)

 

このように暗号資産(仮想通貨)と株ではそれぞれが持つ特徴に大きな違いがあるため、あなたが投資をする目的や期間によってどちらが適しているかが変わってきます。ただ、暗号資産は価格変動幅が大きく、短期での利益を上げられという面が株式より大きいことや、株式は、保有しているだけで報酬を受け取ることができる面などをふまえて、

短い期間で利益を出したい方=暗号資産(仮想通貨)投資
長い目で見て利益を出したい方=株式投資

もう一度、投資をする目的や期間を確認して自分に合った投資スタイルを考えてみると良いでしょう。

 

penchil(sbc) 次世代への引き継ぎ方

さて、金融資産種別・管理を学んだ上で実際に次世代への引継ぎ方法も学んでみましょう。
相続が発生する場合、相続財産が不動産か金融資産かで相続税対策は変わってきます。財産のほとんどが金融資産の場合、現金や預貯金、株式、投資信託といった金融資産は、不動産に比べると遺産分割がしやすく、相続税を納めるときにも換金しやすくなります。ただし、金融資産は時価で評価されるため、多ければ多いほど相続税は重くなりがちです。下記のように節税につながる活用方法を検討しておくといいでしょう。

相続税対策として、いくつか方法を見ていきましょう。

 

◆年間110万円の非課税枠を利用して複数の子や孫に贈与する

相続税とは財産を受け取った人にかかる税金であることはご存じかと思いますが、1年間に受け取った金額が110万円を超えた場合にだけ課税されるため、110万円以下の財産を相続した場合には、相続税は課税されません。そのため、年間に100万円ずつ子どもや孫に財産を贈与すれば、受け取る子や孫には贈与税はかかりません。ただし、亡くなる3年前に贈与された分は相続財産に加算されることと、贈与であることを証明する何らかの証拠(贈与契約書)が必要になるということを覚えておきましょう。

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住宅取得や教育資金で期限付き贈与税非課税制度を利用する

先に紹介した方法とは違い、一度にまとまった金額を贈与しても、贈与税が非課税になる制度も存在します。親や祖父母が、子どもや孫が住むための住宅取得資金を援助するということはよくある話です。実はこの場合は、最大で3,000万円まで非課税額が拡大しています。
他にも下記図の様な贈与も非課税となります。下記図内②③については取り扱い金融機関に受け取る子や孫の口座を開設し、そこに一括で資金を預ける必要があります。

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 ◆株式などを分散して贈与する

生前贈与は、金銭以外の株式などの資産についても行うことが可能です。株式の評価額は贈与時点の時価になりますが年間の非課税額の範囲で少しずつ子や孫に贈与すれば、その後に支払われる配当金などは受け取った子や孫に入るため、自分はその後の資産を増やさずに済むことができます。将来、確実に値上がりが期待できる株式なら、相続時に一括で引き渡すより少しずつ生前に贈与したほうが、受け取る子や孫の税負担を抑えることができます。

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◆不動産を購入し、相続税評価額を抑える

金融資産を持っている場合より、不動産を購入した方が、相続税の評価額は低くなります。そのため、余裕資金の一部を不動産に組み替えるのも有効な手段です。不動産にもいろいろな種類がありますが、資金に合わせてその種類を選べる点も不動産資産の良いところです。例えば子どもが2人いるとすれば、2,000万円程度のマンションを2戸購入して賃貸にまわし、相続時には子どもがそれぞれ1戸ずつ相続するようにすれば、不動産の分割も簡単です。

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◆保険を活用して相続財産を圧縮する

生命保険の死亡保険金は、相続税の面では相続財産に加算されます。ただし、受取人が法定相続人の場合、<500万円×法定相続人の数>の金額を非課税額として保険金から控除でき、残った金額だけを相続財産に加えることになります。
つまり、保険金については非課税額の分だけ節税できるということです。例えば、相続人が妻と子ども2人なら非課税額は1,500万円(500万円×法定相続人3名)となります。死亡保険金2,000万円の一時払い保険に加入すると、支払う金額は保険会社での運用利回りを差し引きだいたい2,000万円弱です。この分だけ預貯金が減り、相続時に加える保険金は500万円で済むということです。保険を活用した相続対策には、様々な手法があるので一度専門家に相談して検討するようにしましょう。

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penchil(sbc) さいごに

資産活用は、複利の効果で増やせたり、ご自身が働かなくても収入を得られるなど、大きな可能性を秘めていますが、資産活用と聞くと、一体どのように行えばいいのかと難しく考えてしまう方もいらっしゃるかと思います。その資産の特徴や長所、短所をきちんと把握することで、自分に合った資産活用方法が自ずと見えてきます。種類や特徴を正しく理解し、自分の老後や子供、孫の未来のことを考え、うまく資産活用していきましょう。

資産活用や相続に関連する金融や税金などの法律は非常にややこしいです。
お悩みの方は、ぜひ、我々税理士を頼って下さいませ。皆さんの人生を豊かなものにしていくために、必ずお力になれると思います。

 

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