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日本生まれの風雅な道具扇子の秘密日本生まれの風雅な道具扇子の秘密

心地よい風と美しい意匠で、暑い夏に涼をもたらしてくれる扇子。実は日本独自の道具だということをご存知ですか?
長い年月の間、日本人の暮らしの中で活躍してきた扇子の様々な表情や役割に注目してみました。

日本で生まれた扇子の歴史

扇子の起源は、平安時代初期の京都で文字を書き付けるために使われていた木簡(もっかん)と言われています。そこから「檜扇(ひおうぎ)」が生まれ、片側に紙を貼った「蝙蝠扇(かわほりせん)」へと移り変わり、次第に3枚合わせの地紙に竹の骨を差すという現在の形になってきました。当初は宮廷の儀式や貴族層の文のやりとりの小道具などに使われていましたが、徐々に能や歌舞伎、茶道などにも取り入れられました。一般庶民が暑さをしのぐために使うようになったのは江戸時代からと言われています。

日本で生まれた扇子の歴史

長さや中骨の本数は様々な種類がありますが、古典的なタイプほど中骨の数が少なく、だいたい15~18間(骨の本数の単位)程度。一般的には25~35間程度が使いやすいでしょう。

扇子の役割、いくつもの顔  様々な場面で使われる扇子。その主な種類をいくつか紹介します。

相手への敬意を扇子に託して
相手への敬意を扇子に託して

茶扇
お茶席の場で使う扇子。ご挨拶の際に自分の手前に置いて、結界を作ります。流派にもよりますが5寸前後の小さなものが主流です。

お祝いの場を盛り立てる
お祝いの場を盛り立てる

祝儀扇
結婚式などのおめでたい場で持つ金銀の扇面の扇子。儀礼的な意味で持つものであり、開いたりあおいだりすることはありません。

舞姿に華を添える
舞姿に華を添える

舞扇
日本舞踊などで使われる扇。舞姿を華やかに見せるだけでなく、投げたり指先で回したりしやすいような作りになっています。

季節の華やぎを愛でる
季節の華やぎを愛でる

飾り扇
部屋などに飾って楽しむための扇子。華やかな絵柄で片側に紙を貼った蝙蝠扇(かわほりせん)なども多く見られます。

勝負に挑む棋士を鼓舞する
勝負に挑む棋士を鼓舞する

将棋扇
将棋や囲碁の棋士が対局の際に持つ扇子で白扇の一種。特に決まりはありませんが、25~28 ㎝前後とやや長めのものを持つ人が多いのだとか。

箸にもキセルにもなる
箸にもキセルにもなる

落語扇
落語家が高座で持つ扇子で、蕎麦をたぐる箸になったり、キセルになったりと見立てに使われます。白扇の一つで、長さは男性用の標準的なサイズです。

ご存知ですか?こんな扇子も…

箸にもキセルにもなる
公家や武家、僧侶が愛用

中啓(チュウケイ)
閉じた状態で、先端に向かって開いている扇子のことを「中啓」と言います。写真は「僧侶扇」と呼ばれるもので、現代のお坊さんも携えています。

箸にもキセルにもなる
的当て遊びの道具として

投扇興(トウセンキョウ)
江戸時代から庶民の間で楽しまれてきた遊びの一つ。的となる枕(台)の上の蝶をめがけて扇子を投げ、落ちた形で点数を競います。

扇子にしたためて送る季節のご挨拶

コミュニケーションとしての扇子

あおいで涼をとるだけでなく、様々な用途で使われてきた扇子。平安王朝では、扇子に和歌を書いて贈るなど、コミュニケーションの小道具としても活躍してきました。そんな情趣を現代でも味わえるのが郵送用の扇。季節のご挨拶などを扇にしたためて、所定の場所に住所を記入し、切手を貼ってポストに投函するだけ。LINEやメールでのやりとりが多くなった今、相手の方にも喜ばれるに違いありません。

扇子にしたためて送る季節のご挨拶

扇子にしたためて送る季節のご挨拶

コミュニケーションとしての扇子

あおいで涼をとるだけでなく、様々な用途で使われてきた扇子。平安王朝では、扇子に和歌を書いて贈るなど、コミュニケーションの小道具としても活躍してきました。そんな情趣を現代でも味わえるのが郵送用の扇。季節のご挨拶などを扇にしたためて、所定の場所に住所を記入し、切手を貼ってポストに投函するだけ。LINEやメールでのやりとりが多くなった今、相手の方にも喜ばれるに違いありません。

扇子にしたためて送る季節のご挨拶

取材・撮影協力:株式会社宮脇賣扇庵東京店

取材・撮影協力:株式会社宮脇賣扇庵東京店

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