「クラウドソーシング」とは、大勢の人（クラウド）が集まる場（ネットサイト）で、仕事の発注・受注（ソーシング）のやりとりをすること。

従来の人材派遣サイトとの違いは、情報の透明性です。「どのような仕事をいくらで募集しているか」も、「どんな能力の人がどれくらい応募しているか」もすべてオープンな状態の中で、求める人と求められる人が出会える点です。

クラウドソーシングには大きく分けて３つのタイプがあります。日本で多いのは「マイクロタスク（細切れ仕事）型」。例えば、通常なら1人に委託する1時間のテープ起こしを、1分ずつ60人に委託するなどの細切れ仕事が主です。当然、報酬は安価ですが、そこは考え方次第。空いた時間を有効活用できますし、実績を積み重ねるうち、指名され、対価も上がっていくケースも多くみられます。

一方、アメリカでは、「コンペティション（競合）型」が普及しています。政府が抱える種々の案件の解決や、科学技術などのイノベーション（技術革新）にも大きな力を発揮しています。なかでも注目を浴びたのが、NASAが募集した「太陽フレアの発生をより迅速に予測するシステム」でした。採用されたのは、定年退職して田舎暮らしをしていた無名のエンジニアの案でした。

比嘉教授は「クラウドソーシングの可能性は、このように社会に埋もれている才能を活用するところにこそある」と言います。日本には高い能力を持ちながら、それを活かす場がないシニアがたくさんいます。

仕事で培った専門技術、人生経験が生きる営業力や文章力、プレゼン力などなど、クラウドソーシングを入り口に活躍の場を広げてみてはいかがでしょう。