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特集|地図で楽しむ江戸 本所深川 特集|地図で楽しむ江戸 本所深川

本所深川

仙台堀川に架かる海辺橋のたもとで。芭蕉が『おくのほそ道』へと出立する前に
滞在したといわれる採茶庵さいとあん跡があります。

日本文学を専門とする山形大学の山本陽史はるふみ教授は、江戸文化の世界を探訪する市民講座の人気講師でもあります。「江戸の仕組みが分かれば、時代劇や歴史小説を10倍面白く鑑賞できる」と、山本先生。江戸の町を案内していただきました。

スタート地点は、都営地下鉄大江戸線の清澄白河きよすみしらかわ駅出口(地図①)。午前中はこの界隈をぐるっと巡り、門前仲町もんぜんなかちょう(地図⑦)を目指す約2時間のコース。美しい水の都だった頃の江戸の風景に思いを馳せ、その時代を生きた人々の息遣いに耳を傾け、妄想力を全開にして楽しむ古地図散策の始まりです。

本所深川総図
本所深川総図

尾張屋清七版「深川絵図」国立国会図書館、岩橋美術復刻版より転載

本深川周辺地図
深川周辺地図
芭蕉稲荷神社

【芭蕉稲荷神社】芭蕉庵跡と伝えられる。

清澄通りを北進し、小名木おなぎ川に架かる高橋たかばし(地図②)を渡ります。『忠臣蔵』でおなじみの四十七士は、討ち入りを果たした後、この高橋のすぐ脇の川沿いの道を歩いて泉岳寺せんがくじへ引き上げていったといわれます。

高橋の先を左折し、人影もまばらな路地を直進していくと、芭蕉庵跡とされる芭蕉稲荷神社(地図③)に行き当たります。ここは幕府御用達の魚問屋で、芭蕉門下の杉風さんぷうが提供した生簀いけすの番小屋を改装した仮住まいでした。
深川は、江戸初期にこの一帯を開いた深川八郎右衛門にちなむ地名です。以降、縦横に巡らした掘割を水運とする物流の一大基地として発展します。芭蕉庵周辺には、塩や米、材木など諸国から運ばれる物資を扱う問屋や蔵が軒を連ねていました。「当時ここは下総国しもうさのくにでしたが、江戸は川を渡ればすぐそこ。世を捨てて隠遁するような場所じゃありません」(山本先生)。

深川江戸資料館

【深川江戸資料館】実物大の長屋の一室で。
狭いながらも快適そうな住まいです。

隅田川の土手沿いの道から萬年橋(地図④)を渡り、再び清澄通りへ。萬年橋と永代橋のたもとから、島流しの流人船が出航したといいます。ここを出たら万年帰れない、永代帰れないと恐れられたそうです。
ここから深川江戸資料館を目指す道すがら、臨済宗の臨川寺りんせんじ(地図⑤)にちょっと寄り道。茨城県鹿島の根本寺こんぽんじの仏頂禅師が滞在した草庵が発展した禅寺です。仏頂と親しかった芭蕉が参禅することもあったようです。
深川江戸資料館(地図⑥)は、清澄庭園の近くにあります。江戸時代末期、天保年間の深川佐賀町の町並みを実物大で再現している常設展示室は必見です。4畳半か6畳の台所付きワンルーム長屋の家賃は、今の価格にしておおよそ1万円。共同便所に溜まったものを肥料として売り、それが大家の収入になったからだそうです。

富士塚

【富士塚】八幡宮本殿裏手に富士山の溶岩で作られた富士塚があります。
簡単には富士山にお参りできなかった庶民のための“出張富士”です。

資料館を出て、午前中のゴールに設定した門前仲町の富岡八幡宮(地図⑧)へ。清澄通りは、藤沢周平の時代小説『彫師伊之助捕物覚え』シリーズにも頻繁に登場します。道幅は今よりずっと狭く、両国・深川間を往来する人々で賑わったようです。両国に住む伊之助も、深川遊郭で事件が起きるたび、この道を急ぎます。
江戸三大祭りの一つ「深川八幡祭り」で知られる富岡八幡宮は、寛永年間にこの地に創建され、深川っ子の信仰を集めてきました。境内は、屋台や見世物小屋、勧進相撲など、庶民の娯楽の聖地でもありました。そしてお参りの帰りに岡場所と呼ばれる幕府非公認の遊郭へ寄るのが当時の男たちの楽しみだったようです。

富岡八幡宮

【富岡八幡宮境内】伝説の力士たちの手形や等身石像なども見もの。

富岡八幡宮
【深川宿】富岡八幡店

その土地ならではの素朴な名産に舌鼓を打つことも、古地図散策に欠かせない楽しみの一つ。深川名物は深川の漁師たちの賄い飯がルーツといわれるアサリの深川めし。味噌仕立ての「ぶっかけ飯」(写真右)と「炊き込みご飯」(同左)の両方を味わえる「辰巳好み」(2,150円)をいただきました。取材に対応いただいた赤川哲さんは、レオパレス21の元社員。旅が引き寄せた出会いです。

【深川宿】富岡八幡店
東京都江東区富岡1-23-11 富岡八幡宮境内
TEL.03-5646-8678

■営業時間
11:00〜15:00(L.O.14:30)、17:00〜21:00(L.O.20:30)
日曜、祝日11:00〜17:00(L.O.16:30)、定休日/月曜

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