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特集:ふたたびの奈良 特集:ふたたびの奈良

東大寺・興福寺・春日大社

東大寺

奈良市雑司町406-1
TEL.0742-22-5511(東大寺寺務所)
http://www.todaiji.or.jp

大仏殿

大仏殿

国宝 南大門

国宝 南大門

東大寺 森本公穣さん

東大寺 森本公穣さん

修学旅行やツアーで必ず立ち寄るのが東大寺。その折に大仏さまの姿は見ていても、どうして、そしてどのような想いでそこに大仏さまが造られたのか、考えを巡らせたことはあったでしょうか。

奈良時代はその繁栄の陰で、天災や病の流行などに人々が苦しんだ時代でもありました。

何とかして国を良くしたいと強く願った聖武しょうむ天皇の想いは「大仏造立ぞうりゅうみことのり」に見ることができます。「詔には『動植ことごとく栄えんと欲す』とあります。つまり、人間だけでなく、動物や植物も含め、すべての生き物が栄えるようにと、聖武天皇は願われたのです」と東大寺の森本公穣こうじょうさんは語ります。「また、天皇の権力や財力で造るのでは意味がないとして、造立を助けたいと願い出る者がいれば必ず受け入れるようにとも言われています」。

記録によれば、延べ人数にして奈良時代の人口の約半数もの人々が造立に関わったのだとか。困難な時代に、強いられることなく、人々が力を合わせて造り上げた大仏さま。心ゆくまで向き合ってみたくなりませんか。

国宝 二月堂

国宝 二月堂

東大寺を再び訪れた時に、ぜひ足を運んでもらいたいのが上院じょういん地区。天平時代の国宝仏が10体も安置されている法華堂ほっけどう(三月堂)や、二月堂のある一角です。大仏開眼の年(※)から途絶えることなく続けられてきた修二会しゅにえ(お水取り)が行われる二月堂からは、奈良の街が一望できます。

「二月堂からの夕景は素晴らしいですよ。ここは修二会行法ぎょうぼうを行う厳しい修行の場であると同時に、人々に安らぎを与えてくれる場所にもなっていると思います」。

※「大仏開眼供養会」天平勝宝4(752)年4月

国宝 盧舎那仏坐像

国宝 盧舎那仏坐像るしゃなぶつざぞう(大仏)

国宝 金剛力士立像 吽形

国宝 金剛力士立像こんごうりきしりゅうぞう 吽形
(南大門)

興福寺

奈良市登大路町48
TEL.0742-22-7755(本坊寺務所)
http://www.kohfukuji.com

2019年10月17日〜11月10日
南円堂・北円堂特別同時開扉

中金堂

中金堂

国宝 阿修羅像

左が昨年落慶した中金堂。回廊と中門の基壇も整備されている。中央右は東金堂とうこんどう、右は五重塔。

昨年10月、復元された中金堂ちゅうこんどう落慶らっけいを迎えました。藤原ふじわらの不比等ふひとが興福寺で最初に創建した中金堂は、壮大な伽藍がらんの中核。焼失するたびに再建され、7度目となる今回は約300年ぶりに創建当時の姿がよみがえりました。

復元前の発掘調査では、柱の礎石そせき66個中64個が奈良時代のものであると判明しました。それはつまり、お堂が何度失われても、同じ場所に同じ規模で建て直されてきたということ。いつの時代にも興福寺でもっとも大切に考えられてきたのは、より立派なものを建てることではなく、奈良時代の姿に戻すことでした。

興福寺 大森俊貫さん

興福寺 大森俊貫さん

興福寺の大森俊貫しゅんかんさんは「300年の間、興福寺には本堂に当たる中金堂がない状態でした。塀や門もなく、境内を歩いていると観光客の方に『興福寺はどこですか?』と聞かれることもありましたね」と笑います。「新たな中金堂の前庭では、ぜひ境内をぐるりと見渡してみてください。すべてを復元するにはまだ道のりは遠いですが、かつての伽藍を感じていただけることと思います」。

国宝 阿修羅像

国宝 阿修羅像(写真:飛鳥園)

興福寺といえば有名なのが阿修羅像。実は、国内の国宝仏像彫刻のうち13%が興福寺にあります。阿修羅像をはじめとする八部衆立像はちぶしゅうりゅうぞうや十大弟子立像などが収蔵・展示されている国宝館は必見です。

「興福寺では、国宝館もお堂の一つと考えます。展示もガラス越しにではなく、お堂に近い形になるよう工夫しており、朝のお勤めや法要も行っています」と大森さん。国宝館は、西金堂さいこんどうなどもともと仏像が安置されていたお堂が再建されるまでの「仮のお堂」。ここにも、元の形を大切にする興福寺の姿勢がうかがえます。

春日大社

奈良市春日野町160
TEL.0742-22-7788
http://www.kasugataisha.or.jp

御本殿特別参拝/初穂料 500円

西回廊

西回廊

石燈籠

参道など境内には石燈籠が約2,000基並ぶ

石燈籠が並ぶ参道の先に、まるで春日山原始林に抱かれるようにして、春日大社の朱塗りの社殿は佇んでいます。春日大社は、約1300年前に茨城県鹿島から白鹿に乗った武甕槌命たけみかづちのみこと御蓋山みかさやまに降り立ったのが始まり。その神の山を含む春日山一帯は、春日大社の神域として古くから狩猟や伐採、入山が禁じられてきました。これほど市街地に近接して原始林が広がっているのは世界的にも大変珍しいこと。春日山原始林は、春日大社とともに世界遺産「古都奈良の文化財」に登録されています。

中門・御廊

御本殿の正面に建つ中門・御廊おろう

国宝 二月堂

2月の節分と8月14・15日(中元)の夜
すべての燈籠に火がともされる「万燈籠まんとうろう」が
常時体感できる藤浪之屋ふじなみのや

春日大社を訪れたなら、修学旅行ではまず入ることのない 国宝 御本殿の特別参拝へ。御本殿にもっとも近い中門ちゅうもんのすぐ前まで進むことができます。まず圧巻なのは回廊に並ぶ釣燈籠。数の多さもさることながら、なかには名だたる戦国武将が奉納したものもあります。その回廊の連子窓れんじまどをよく見ると、長方形ではなく、形が一つひとつ異なっています。これは土地をならすことをせず、あるがままの傾斜の上に社殿が建てられているから。また、境内にはあちこちに巨樹・巨木がそびえますが、重要文化財である直会殿なおらいでんの屋根を、木が突き抜けていることには驚かされます。「ここでは木に絡みつく藤蔓ふじづるでさえ切ることが許されません。たとえそのために木が倒れることになったとしてもです」と話すのは春日大社の秋田真吾さん。春日大社が野生の藤の名所になったのは、神々とその土地を敬うがゆえなのです。

春日の杜を見渡せば、自然豊かな神の地を守る春日大社の神髄が見えてくることでしょう。

鹿

緑豊かな境内には鹿の姿も

石燈籠の基台に彫刻されている鹿

石燈籠の基台に彫刻されている鹿

12月のウェブマガジン限定プレゼント

12月のウェブマガジン限定プレゼント
【1名様】写真プリント「東大寺」

クラスエルマガジン51秋号で特集した奈良。
後藤鐡郎カメラマンが撮影した朝焼けの東大寺大仏殿の写真を額装してプレゼントします。
写真サイズ:半切(35.6×43.2cm)

応募締切 2020年1月5日(日)

  • ご応募は1名様1回までとさせていただきます。
  • 当選発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。
  • 重複応募の場合は無効とさせていただきます。
ご応募いただきありがとうございました。

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