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特集:お茶を愉しむ 特集:お茶を愉しむ

お茶は、その地域の文化と深く結びついた生活の一部ともいうべきもの。
普段当たり前に口にしているのに、いや、だからこそ気付くことができない魅力と奥深さが日本茶にはあります。
見知らぬ土地を旅する時に整然と畝が並ぶ茶畑の風景に出会ったら、
近くのお茶屋さんの店先をぶらりとのぞいてみてはいかがでしょう。
きっとそんなところから、お茶の魅力を知る旅は始まっていきます。

監修/中島由紀子 文/藤本真紀子 撮影/井上誠・後藤鐵郎・滝澤敏彦
協力/静岡有機茶農家の会・宮崎茶房・丸久小山園・茶茶の間・下堂薗・丸八製茶場・奈良自然茶専門店 TE=CHA

人が作るお茶の魅力

日本では、鎌倉時代にはすでにお茶の薬効を説いた書物が記されていました。その正しさを証明するように、近年、カテキン類やテアニン、カフェインなどお茶に含まれる成分が持つ効能が解明され、お茶を飲むという文化が今、再び注目を集めています。

けれど、私たちが「お茶にしよう」という時の気持ちはもっとシンプル。少しだけ日常から解放されて、ホッとひと息一服しようというものです。忙しい現代人は急須を使ってお茶を淹れることが減ったと言われていますが、急須の中で茶葉が開くのをじっくりと待つ、そして二煎、三煎と煎を重ねていく――そんな時間もまた、心を解きほぐすためには必要なのかもしれません。

「お茶」とひと口にいっても、その種類は実にさまざま。ところ違えば、飲まれているお茶の種類も違います。生活の中に深く根ざしているものだからこそ、地域の生活様式や文化、歴史も関わって、その地域特有のお茶が生まれ、継承されてきたのです。

たとえ種類が同じでも、お茶の味や香りは、お茶の木の品種、天候やその土地の風土、そしてつくり手によって、少しずつ異なります。ワインづくりでは「天地人」が重要といわれますが、それは日本茶も同じ。天と地、そして人の仕事がお茶の仕上がりに大きく関わっています。

普段は何気なく飲んでいても、少し意識してみれば、味わいや香りなど、一つひとつのお茶にしっかりとした個性があることに気が付くはず。それぞれのお茶の魅力を感じることで「ちょっと一服」の時間の愉しみは、限りなく広がっていきます。

静岡有機茶農家の会 本山の有機茶園(静岡県静岡市) 斉藤 勝弥 静岡有機茶農家の会 本山の有機茶園(静岡県静岡市) 斉藤 勝弥

日本一の茶産地・静岡で、農薬や化学肥料を使用しない有機栽培による最高のお茶づくりを目指してきたのが「静岡有機茶農家の会」です。そのメンバーの一人、斉藤勝弥さんは、静岡茶発祥の地といわれる「本山」の茶農家の17代目。徳川家康も愛飲したことで知られる「本山茶」を代々つくり続けてきました。

斉藤さんが有機栽培を始めたのは約35年前。「有機栽培では美味いお茶はつくれない」とも言われる中、おいしい有機栽培茶を求め技術を磨いてきました。斉藤さんたちの努力が結実した『駿河天狗の養生煎茶ようじょうせんちゃ』は、濃厚な味わいながら重くなく、体にスッと染み渡ります。

茶づくりを探求し続ける斉藤さん、実は知る人ぞ知る“お茶淹れ名人”でもあります。お茶淹れを極め“良いお茶”を理解することは、良い茶づくりにもつながるのだとか。「茶づくりが50年できるとしても、一番茶をとれるのはたった50回。いい加減なことはできないよ」。真摯にお茶の木と向き合う斉藤さんたちの姿勢が、安心安全というだけではない、おいしい有機栽培茶を実現させてきたのです。

駿河天狗 静岡有機茶農家の会
TEL.054-255-7752
https://www.surugatengu.com

斉藤勝弥さん

宮﨑茶房(宮崎県西臼杵郡) 宮﨑 亮宮﨑茶房(宮崎県西臼杵郡) 宮﨑 亮

宮崎県北部の五ヶ瀬町ごかせちょう、雄大な阿蘇の山々を望む標高約600mの高地に、宮﨑茶房の茶園はあります。釜炒り茶工場からは茶葉を炒る芳ばしい香りが、烏龍茶・紅茶工場からは、発酵が進む茶葉が放つ、花や果実を思わせる豊かな香気が漂ってきます。

釜炒り茶とは、九州中部の山間地などで受け継がれる、一般的な緑茶の「蒸す」工程を「釜で炒って」つくるお茶。烏龍茶や紅茶は、製造工程が違うだけで、緑茶と同じお茶の葉からつくられます。

茶園では、20もの品種のお茶の木が、有機栽培で育てられています。「それぞれの品種に特徴があるからおもしろい」と、その特徴を生かすべく試作を繰り返す宮﨑亮さん。その積み重ねが、2002(平成14)年農林水産祭の天皇杯をはじめとする数々の受賞につながっています。

原料となる茶葉の状態、気温や湿度など日々異なる条件の中で、茶葉の香りや色、手触りを感じ取りながら、最高の状態に仕上げるための一瞬を見極めるお茶づくり。製茶理論ではなく五感を信じることでできたお茶は、飲む人の五感もおおいに愉しませてくれます。

株式会社 宮﨑茶房
TEL.0982-82-0211
http://www.miyazaki-sabou.com

宮﨑 亮さん(前列左)とスタッフの皆様



一期一会の出会いを愉しむ

個性豊かな日本茶を愉しめる日本茶専門のカフェが、各地で増えています。旅先で立ち寄れば、魅力あるお茶に出会えるかもしれません。

丸久小山園 西洞院店 茶房「元庵」(京都府京都市) 丸久小山園 西洞院店 茶房「元庵」(京都府京都市)

京都市内にあるのは、宇治茶を味わえる丸久小山園 西洞院店の茶房「元庵もとあん」。300年以上続く老舗の自園茶は、全国茶品評会で20回以上も第1位に選ばれています。丸久小山園で何より大切にされているのが品質本位の茶づくり。まろやかでコクのある抹茶をはじめ、全てのお茶が、卓越した技術によって仕上げられています。その味をきちんと伝えられるようにと、ていねいに淹れられた「元庵」のお茶は格別。京都の和菓子店の上生菓子や抹茶のロールケーキなどと共に、心なごむ庭を眺めながらいただくことができます。

株式会社 丸久小山園
TEL.0774-20-0909
http://www.marukyu-koyamaen.co.jp





表参道 茶茶の間(東京都渋谷区)表参道 茶茶の間(東京都渋谷区)

東京・表参道の「茶茶の間ちゃちゃ ま」で愉しめるのはシングルオリジンの日本茶。これは茶葉のブレンドを一切しない単一農園、単一品種のお茶です。「日本茶も、産地や農園による違いを愉しめるんです」と話す日本茶ソムリエの店主・和多田わたださんは、13年前の開店当初から、一つの畑でとれた一つの品種のお茶にこだわり、自ら畑にも出向きます。自信を持って選び抜いたお茶に合うよう、スイーツも全て自家製。またお茶は淹れること自体も愉しいと、「茶茶の間」では淹れ方をはじめ、自由なお茶の愉しみ方を発見できるセミナーも数多く開催しています。

表参道 茶茶の間
TEL.03-5468-8846
http://chachanoma.com





下堂薗らさら 荒田本店(鹿児島県鹿児島市)下堂薗らさら 荒田本店(鹿児島県鹿児島市)

鹿児島市内にある下堂薗しもどうぞの「らさら荒田本店」では、深蒸し煎茶をはじめとした鹿児島茶を自分で淹れて味わうことができます。「ゆたかみどり」という品種にこだわって茶づくりを続ける下堂薗のお茶には、南国らしい個性が感じられます。

実は、ドイツをはじめヨーロッパ各地でも高い評価を得ている下堂薗。JR九州のクルーズトレイン「ななつ星」でも提供されている、ワインのような瓶詰めの『ボトリング吟穣茶』や、「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則氏監修による無肥料自然栽培茶など、意欲的な取り組みも注目されています。

株式会社 下堂園
TEL.099-268-7281
http://www.shimo.co.jp





丸八製茶場 茶房 実生(石川県加賀市)丸八製茶場 茶房 実生(石川県加賀市)

加賀の地で、昔から普段のお茶として親しまれてきたのが「棒茶」と呼ばれる茎ほうじ茶。その普段のお茶というイメージを覆したのが、昭和天皇の石川県来訪に際し献上された丸八製茶場の『献上加賀棒茶』です。一番摘み茶の茎を遠赤外線でじっくりと焙じる浅炒り製法で、お茶は透き通った琥珀色。芳ばしい中にも甘い香りが感じられます。本社工場に隣接する「茶房 実生みしょう」では、加賀棒茶を使ったロールケーキや地元和菓子店の季節のお菓子と共にお茶をいただくことができます。お電話で予約すれば工場の見学も可能です。

株式会社 丸八製茶場
TEL.0120-41-5578(フリーダイヤル)
http://www.kagaboucha.co.jp



10月のウェブマガジン限定プレゼント

10月のウェブマガジン限定プレゼント
【1名様】丸八製茶場 ティーバッグ2缶セット 
菫テトラ(加賀棒茶)/ 梅テトラ(加賀ほうじ茶)

クラスエルマガジン47秋号の特集で紹介した加賀の丸八製茶場からのプレゼント。一杯の湯のみで簡単に本物のお茶のおいしさを味わっていただける、ティーバックです。

■2缶セット(2g×10個 缶入り)
すみれテトラ:献上加賀棒茶(茎のほうじ茶) ×1
梅テトラ:加賀ほうじ茶(葉っぱのほうじ茶) ×1

応募締切 2018年10月31日(水)

  • ご応募は1名様1回までとさせていただきます。
  • 当選発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。
  • 重複応募の場合は無効とさせていただきます。

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