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特集:SLに乗って 特集:SLに乗って

SLばんえつ物語 /JR東日本 磐越西線(新津〜会津若松) C57 180

SL(蒸気機関車)は、子どもの頃の記憶にあるだけという方が多いのではないでしょうか。
しかし、今でもSLに乗れる路線が多くあります。
さすがに通勤や通学の足ではなく、観光のため、休日に一往復する運行です。
思い出の中や映画の場面で懐かしむのではなく、実際にSLに乗って旅をしてみませんか。
ガタゴト揺れながら外を眺めれば、線路脇の人たちが笑顔で手を振り、思わず、こちらも手を振り返す…。
そんな悠々とした時間を楽しむもよし、力強く美しい姿に魅入るのもよし。
今回は各地を走るSLの勇姿をご覧ください。

撮影・文/櫻井 寛

石炭を食らい、水を飲み、煙と蒸気を噴き出しながら全力で走る。上り坂では苦しげな吐息となるも、峠を越えれば汽笛という名の口笛を吹きつつ颯爽と疾駆する。まるで人間の様だ。SLが機械の中で最も人間らしいと云われる所以である。

それもそのはず。SLは、今から200年ほど前の1825年、英国で実用化された。それ以前の乗り物といえば、馬車や帆船などで動物や自然の力に頼っていた。人類が最初に発明した動力機械が蒸気機関なのだから、SLが人間に似ているのもうなずける。

日本では、鉄道の近代化の名の下に1975(昭和50)年を最後にSL列車は全廃されたはずであった。ところが、SLを惜しむ声はあまりにも大きく、現在では全国各地でSL列車が復活している。北は北海道から南は九州まで、SL懐旧の旅に出掛けよう。いざ、出発進行!

JR北海道/釧網本線SL冬の湿原号

牽引機関車
C11 171
運転区間
釧路〜標茶
運転日
1~3月まで運行
お問い合せ
JR北海道電話案内センター
TEL. 011-222-7111

SL列車の多くは春夏秋の行楽シーズンに運転されるが、真冬の厳寒期に走る列車が北海道は釧網本線の「SL冬の湿原号」である。SLの魅力の一つにスチーム(水蒸気)があるが、気温が低ければ低いほどスチームが際立つというわけだ。

ところで、冬の北海道には、「三白さんぱく」と呼ばれる風物詩がある。三つの白とは、タンチョウ、オオハクチョウ、そして流氷。それらを車窓から観賞できる路線が釧網本線である。ただし、「SL冬の湿原号」が走るのは釧網本線の中の釧路〜標茶しべちゃ間。なので流氷とオオハクチョウは圏外というわけだが、同区間の釧路湿原には特別天然記念物タンチョウが棲息している。見られるかどうかは運次第。

JR九州/鹿児島本線・肥薩線SL人吉

牽引機関車
58654(8620形)
運転区間
熊本〜人吉
運転日
金土日祝日、休み期間中に運行
お問い合せ
JR九州案内センター
TEL. 050-3786-1717

九州・熊本を走るSLは、通称「ハチロク」。形式名は8620形、その435番目に製造されたナンバープレートは「58654」だが、数字の前にCとかDなどの(*1)アルファベットはない。なぜなら、この機関車の誕生は1922(大正11)年のこと。動輪の数を示すアルファベットが付記されるのは昭和になってから。つまり、ハチロクは現役では我が国最古の機関車で、御年96歳の最長老なのである。

ハチロクが走る肥薩ひさつ線は九州を代表する歴史的な路線。途中で日本三急流の球磨くま川を二度渡河するが、2本の球磨川橋梁は1908(明治41)年にアメリカから輸入された(*2)トラス橋で、鉄道文化財の風格に満ちている。

*1 アルファベットは動力を持つ車輪(動輪)がいくつあるかを示しており、Bは動輪が2つ、Cは3つ、Dは4つ、Eは5つ。
*2 三角形を基本に組み合わせた構造をトラス構造といい、それを骨組みとした橋。

JR東日本/磐越西線SLばんえつ物語

牽引機関車
C57 180
運転区間
新津〜会津若松
運転日
3〜9月の土日祝日を中心に運行
お問い合せ
JR東日本お問い合わせセンター
TEL. 050-2016-1600

「貴婦人」と呼ばれるSLが「SLばんえつ物語」の先頭に立つC57形だ。1m75㎝という長い脚(動輪)、細いボイラー。武骨でパワフル、山男に形容されることの多いSLの中にあって、希有けうなスレンダー美人がC57形だ。

新津を発車しておよそ40分、進行方向左側の車窓には悠々と流れる阿賀野あがの川が近づいてきた。この先が、「森と水とロマンの鉄道」の愛称をもつ磐越西線の絶景ルート。列車はこの先で新潟と福島の県境を越えるが、福島県に入るとこの流れは阿賀あが川となり、さらに上流の会津では大川に名を変える。野沢には馬刺し、山都やまとには蕎麦そば、喜多方にはラーメンなど美味美食の磐越西線である。

櫻井 寛

撮影・文
櫻井 寛(さくらい かん)

日本写真家協会、日本旅行作家協会会員。東京交通短期大学客員教授。
1954年長野県生まれ。両親とも国鉄職員という環境に育ち、旅と鉄道をなによりも好む。日本大学芸術学部写真学科を卒業。世界文化社写真部に15年間勤務。1990年にフォト・ジャーナリストとして独立、現在に至る。著書は90冊を越え、代表作は『オリエント急行の旅』『ななつ星in九州の旅』、最新刊に『にっぽん縦断民鉄駅物語』。

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